低用量ピルの種類は?効果や副作用についても解説

  • 2022年11月11日
  • 2023年10月29日
  • ピル

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低用量ピルをご存じでしょうか。

低用量ピルには様々な種類があり、目的によって処方されるピルが変わります。

本記事では、低用量ピルについて下記を中心にお伝えします。

 

  • 低用量ピルと中用量ピルの違い
  • 低用量ピルの効果
  • 低用量ピルの種類【世代・相性(そうせい)別】
  • 低用量ピルの副作用


ぜひ最後までお読みください。

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低用量ピルと中用量ピルの違い

ピルには中用量ピル低用量ピルがあります。

どちらも避妊目的や月経不順、PMSの軽減などで処方される薬ですが、中用量ピルと低用量ピルではホルモンの配合量が違います。

中用量ピルは低用量ピルよりもホルモンの配合量が多いため、飲み忘れてしまった場合の影響を少なくすることができますが、副作用のリスクが高まる傾向にあります。

そのため、避妊や月経トラブルの改善目的では低用量ピルを処方されることが多く、中用量ピルはアフターピルや、月経周期をずらす目的で処方されることが多くなっています。

低用量ピルの効果

低用量ピルの効果はひとつだけではありません。

低用量ピルによって期待できる効果を解説していきます。

避妊効果

低用量ピルは、正しく服用すれば避妊効果は約99%といわれています。

低用量ピルを服用することで排卵が抑制されるので避妊効果につながると考えられます。

また、低用量ピルに含まれている女性ホルモンは、通常の卵巣で作られるものよりも量が少ないため、本来着床に向けて分厚くなるはずの子宮内膜が薄くなり、万が一受精しても着床を防げるといわれています。

生理痛・PMSの改善効果

低用量ピルの服用は、生理痛やPMS改善にも効果が期待できます。

PMSとよばれる生理前のイライラや頭痛、倦怠感などは、ホルモンバランスの乱れが自律神経を乱すことで起こるといわれています。

低用量ピルを服用することでホルモンバランスが整うので、PMSの改善につながると考えられます。

また、生理痛を引き起こす疼痛物質の分泌が減ることで、生理痛の緩和にもつながります。

生理周期の改善

ピルを服用すれば、生理周期が28日で安定するので、スケジュール調整や、生理用品の準備などが事前にしやすくなります。

もともと月経不順で悩んでいるという方は、低用量ピルで改善が期待できるでしょう。

ピルは休薬期間中に生理がくる仕組みなので、生理日の調整も可能です。

イベントなどで生理がきては困るという場合は、休薬期間を先延ばしにし服用を継続すれば、生理日をずらせます。

肌荒れやニキビの改善

低用量ピルは肌荒れの治療に用いられることもあります。

女性はホルモンバランスが乱れることで、ニキビや肌荒れを起こしがちです。

ピルの服用でホルモンバランスが整うと、肌荒れも起こりにくくなるので、美容効果も期待できます。

婦人科疾患の治療・予防効果

低用量ピルは卵巣がんと子宮体がんのリスクを低減させるといわれています。

ピルの服用で卵巣が休むことができるので、がんの発症を抑制すると考えられます。

また、ピルに含まれるプロゲステロンは、エストロゲンによる内膜腺細胞の増殖抑制が期待できるので、子宮体がんの予防にもつながります。

更年期症状の改善

ピルの服用は更年期症状の緩和にもつながります。

更年期症状は女性ホルモンの乱れによって起こるため、ホルモンバランスを整えることで症状を軽減させることにつながります。

注意!
しかし、40代以降は医師の判断でピルの処方ができない場合もあるので、相談の上検討するようにしましょう。

低用量ピルの種類【世代・相性(そうせい)別】

低用量ピルには種類があります。

それぞれのどのような種類があるか、それぞれの特徴も含めてご紹介します。

低用量ピルは全部で11種類

日本で処方されている低用量ピルは全部で11種類で以下の通りです。

シンフェーズ、フリウェルLD、ルナベルLD/ULD、トリキュラー、アンジュ、ジェミーナ、ラベルフィーユ、マーベロン、ファボワール、ヤーズ、ヤーズフレックス

それぞれが世代、相性という分類で分けることができます。

低用量ピルの種類【世代別】

低用量ピルは開発された順番と、含まれている黄体ホルモンの種類によって第1世代〜第4世代まで分類されます。

卵胞ホルモンは全世代共通でエチニルエストラジオールというホルモンですが、黄体ホルモンは種類によって異なります。

黄体ホルモンの違いはアンドロゲンという男性ホルモン活性の強さで、世代が新しくなるにつれてアンドロゲン活性が弱くなります。

 

  • 第一世代:NET(ノルエチステロン)

ピルの種類(シンフェーズ、フリウェルLD、ルナベルLD/ULD)

第一世代のピルは、ノルエチステロンという黄体ホルモンが配合されています。

生理時の出血量を抑えたり、生理痛を緩和させたりする効果が期待でき、月経困難症の改善に用いられることも多いピルです。

副作用では、他の世代よりも不正性器出血が起こりやすい傾向がありますが、ルナベルは他のピルよりも血栓症のリスクが低いといわれています。

出典:ピルの種類とその特徴とは?相性や世代別ピル一覧

  • 第二世代:LNG(レボノルゲストレル)

ピルの種類(トリキュラー、アンジュ、ジェミーナ、ラベルフィーユ)

第二世代のピルは、レボルノゲストレルという黄体ホルモンが配合されています。

第二世代のピルはすべての3相性というのが特徴です。

副作用は、人によって男性ホルモンが活性化し体臭が強くなったり毛深くなったりということが起きる可能性があります。

その他に、頭痛 、下腹部痛、乳房の張り、悪心、嘔吐、息切れ、過敏症、発疹、じん麻疹、肝機能異常、浮腫、不正性器出血、体重増加などが起こる場合もあります。

また、過度に心配する必要はありませんが、血栓症の重大な副作用も報告されています。

出典:ピルの種類とその特徴とは?相性や世代別ピル一覧

  • 第三世代:DSG(デゾゲストレル)

ピルの種類(マーベロン、ファボワール)

第三世代のピルには、デソゲストレルという黄体ホルモンが配合されています。

デソゲストレルには男性ホルモンを抑える効果が期待できるため、ニキビなどの肌荒れ、多毛の改善効果も期待できます。

第三世代のピルは副作用が起きにくいといわれており、ピルの服用開始後、ホルモンバランスの変化で起こりやすい肌荒れも、第三世代ピルは少ないとされています。

しかし、血栓症リスクは他のよりも僅かですが高くなる恐れも指摘されています。

出典:ピルの種類とその特徴とは?相性や世代別ピル一覧

  • 第四世代:DRSP(ドロスピレノン)

ピルの種類:ヤーズ、ヤーズフレックス

第四世代のピルは、最も新しいピルで、超低用量ピルとよばれています。

ドロスピレノンという黄体ホルモンが配合されており、エストロゲンの配合量が少ないため、副作用が起こりにくいとされています。

とくにむくみが出にくいとされているので、むくみによる体重増加が気になる人におすすめです。

授乳中や35歳以上の人でも服用できるのも特徴です。

エストロゲンの配合量が少ないピルですが、血栓症のリスクもゼロではありません。

出典:ピルの種類とその特徴とは?相性や世代別ピル一覧

低用量ピルの種類【相性別】

低用量ピルはホルモンの配合パターンによって1相性2相性3相性に分類されています。

1相性は1シート内で1錠あたりのホルモン配合量がすべて同じものです。

すべて同じホルモン量なので、生理日の調整がおこないやすいピルです。

2相性は1シート内の1錠あたりのホルモン配合量が2パターンあります。

2022年9月現在、日本では2相性のピルの取り扱いはありません。

3相性は1シート内の1錠あたりのホルモン配合量が3パターンあります。

POINT!
ホルモン量が三段階に分かれているので、より自然なホルモン分泌に近い状態を再現することができるので、生理周期のコントロールに向いているといえます。

通常、体内でのホルモン分泌は一定ではなく日々変化していくため、3相性のものがより自然に近くなり、次いで2相性、1相性という順になります。

低用量ピルの種類一覧表

 

相性 世代 商品名 特徴
第1相性 第1世代 ルナベルLD/ULD

フリウェル

出血量減少が期待できる
第3世代 マーベロン

ファボアール

ジェミーナ

男性ホルモン作用が少なく、多毛や肌荒れ改善が期待できる
第4世代 ヤーズ、ヤーズフレックス 超低用量で副作用が少ない
第3相性 第1世代 シンフェーズ 自然のホルモンサイクルに近い
第2世代 アンジュ・トリキュラー・ラベルフィーユ

低用量ピルの副作用

悩んでいる女性

低用量ピルの服用を始めると、人によって副作用が出る場合があります。

どのような副作用があるのか解説します。

マイナートラブル

ピルを服用することで、マイナートラブルという副作用が起こる場合があります。

人によって症状やその程度も異なりますが、頭痛や吐き気、不正出血、乳房のハリなどがあげられます。

服用し始めに起こることが多く、体が慣れてくることで徐々に軽減され、長くても3ヶ月で治まるといわれています。

あまりにも症状が強く生活に支障がでる、3ヶ月経っても治まらないという方は、無理をせずに医師に相談するようにしてください。

血栓には注意が必要

血栓症はピルの服用で起こる、重大な副作用です。

血液中にできた血栓と呼ばれる塊が血管を塞いでしまうことで、重篤な症状を引き起こしてしまう病気です。

ピルを飲んでいない人でも血栓症になる可能性はありますが、その確率は年間で1万人に1~5人で、服用している人の場合は1万人に対して3~9人の確率なので、服用によりリスクは高まるといえます。

原因として、ピルに含まれている人工的な卵胞ホルモンが、血液が固まるのを防ぐ物質の機能を低下させていると考えられます。

過度に心配する必要はありませんが、リスクがあるということを頭にいれ、万が一の場合に早期発見、早期治療ができるようにしておくとよいでしょう。

出典:女性ホルモン剤と血栓塞栓症―安全な処方のために―

大学生の避妊および低用量ピルに関する意識調査

クリニック

「大学生の避妊および低用量ピルに関する意識調査」では、大学生を対象とした調査をおこない、今後の性の教育、支援のあり方について考察しています。

大学生のピルの周知度は男女ともに40%となっており、性交経験のある学生のほうが周知度が高いという結果になりました。

ピルの使用に賛成すると回答した学生は25%、そのうち半数以上が性交経験者です。

賛成理由は「避妊効果が高い」という意見が最も多く、反対理由として「副作用」が多く挙げられています。

情報入手方法は「雑誌」「インターネット」が多いという結果になり、性交によってもたらされるリスクと、その予防法を正しく情報提供していくことが求められます。

出典:大学生の避妊および低用量ピルに関する意識調査

低用量ピルに関するよくある質問5選

悩む女性

最後に、低用量ピルに関するよくある質問をまとめました。

是非参考にしてください。

ピルを飲むと太るのは本当ですか?

ピルに体重増加や太る作用はありません。

ピルが太るといわれる原因は、むくみや食欲増加が原因と考えられます。

ピルに含まれるエストロゲンというホルモンには高い保水作用があり、体内に水分を貯めこもうとするため、むくみやすくなります。

むくむことで見た目や体重が変化し、太ったと感じる人もいるようです。

また、ピルに含まれる黄体ホルモンは食欲増進作用があり、ピルを服用することで食欲が増し、体重増加につながる場合があります。

むくみも食欲増加も、時間とともに軽減される傾向にあるので、飲み始めてしばらくは適切なケアで対処するようにしましょう。

ピルはいつから避妊効果が出ますか?

生理初日からピルの服用を始めた場合は、その日から避妊効果が得られるといわれています。

その他のタイミングで服用を開始した場合は、連続して7日間程度服用すれば、避妊効果が期待できます。

服用を継続していれば、飲み忘れがない限り、避妊効果は持続すると考えられます。

ピルを飲み忘れてしまいました

飲み忘れてしまった場合の対処法は、飲み忘れた日数や、何週目かによって変わります。

1日飲み忘れて、次の日の服用時刻前に飲み忘れに気付いたときは、すぐに飲み忘れた分の1錠を飲みましょう。

次の日の服用時刻に飲み忘れに気付いたときは、飲み忘れた昨日の分の1錠と合わせて2錠を飲むようにします。

2日以上連続して飲み忘れた場合、すぐに飲み忘れた分の2錠を飲みましょう。

排卵が始まる可能性があるため、避妊効果も弱まる可能性があります。

3日以上連続して飲み忘れてしまった場合は出血が始まっているはずなので、服用を中止し、次の月経の初日から新しいシートの服用を開始します。

POINT!
新しいシートのピルを7日間連続で飲むまでは別の避妊方法を検討するようにしてください。

毎日同じ時間に服用しないと意味ないですか?

ホルモン量を一定に保つためにも、基本的に毎日同じ時間に飲むようにしましょう。

しかし、1分1秒同じ時間である必要はなく、12時間以内であれば、誤差の範囲と考えられます。

12時間以上ずれてしまった場合は、すぐに飲み忘れた分を服用し、その後はいつも通りの時間に服用するようにしてください。

飲み忘れを防ぐためにも、朝起きたらすぐ飲む習慣をつけたり、寝る前に飲めるよう目につく場所に置いたり、アラームをかけるなどして、生活に取り入れていきましょう。

低用量ピルは通販でも購入できますか?

購入できるものもありますが、おすすめできません。

通販サイトのものは個人輸入がほとんどで、安全性が保障できず、ホルモン量が不明なものや、ピルの破損があるもの、偽造品が届く可能性もあります。

また、個人輸入で届いた薬で副作用が出た場合、薬の詳細がわからなければフォローしてもらうことができず、万が一偽造品を使用し妊娠してしまっても、保障がありません。

ピルの処方は医師の診察を受けたうえで、正規品を処方してもらうようにしましょう。

POINT!
オンライン処方なども充実しているので、通院が難しい方や、通うのが面倒という方は活用してみるのもおすすめです。

低用量ピルの種類のまとめ

低用量ピルの種類についてお伝えしました。

低用量ピルの種類についてまとめると、以下の通りです。

 

  • 低用量ピルと中用量ピルは配合されているホルモン量がちがう
  • 低用量ピルは避妊効果だけでなく生理痛、月経周期、肌荒れ改善効果も期待できる
  • 低用量ピルは世代と相性で分類され全部で11種類
  • 低用量ピルの副作用はマイナートラブルから重大なものでは血栓症もある


本記事の内容が、少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。