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ピルには女性の月経に関係する2つのホルモンが含まれており、生理や妊娠の仕組みに影響を与えられます。
ピルを使用すると生理不順や生理痛が緩和される他、避妊の効果もあるためピルの服用を考えている方も多いのではないでしょうか。
この記事ではピルについて、以下の点から詳しく紹介していきます。
- ピルの効果や期間
- ピルの4つの種類とその特徴
- ピルの副作用
ピルについてよくある質問への回答も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
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ピルにはどんな効果が期待できる？
具体的にピルにはどのような効果があるのでしょうか。
ここでは3つのピルの効果について解説していきます。
ピルは月経日を移動させる効果が見込める
ピルには生理に関係する2つのホルモン、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)が含まれています。
この2つのホルモンを服用することにより、脳がホルモン分泌のメカニズムを勘違いするため、月経の日にちを前後させる効果が期待できます。
ピルを飲むことで生理を1週間ほど早めたり、逆に遅らせたりできる可能性があります。
具体的な方法は次の通りです。
ピルを飲み続けている間は生理が来ませんので、生理を避けたい大切な予定がある時に役立ちます。
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ピルは生理痛や月経困難症の軽減の効果が期待できる
毎月の生理の際にかなりの痛みを伴うのはつらいものです。
女性の半数以上にもみられるという月経困難症ですが、あまりにもひどい場合は朝起き上がれないほどつらいという方もいます。
次にあげる症状から自分に当てはまるものをチェックしてみましょう。
| 鎮痛剤が必要なほどの腹痛がある | 以前より生理痛が悪化している |
| 生理痛が酷くて学校や仕事に行くのがつらい | 生理日以外にも出血がある |
| 生理期間が一般的な期間より長く、10日間くらい続くことがある | 頭痛や腰痛を伴う |
| 生理中に腹痛だけでなく吐き気がする | 生理のときの出血量が多い |
| レバーのような塊が経血に混じっている | 倦怠感やイライラ感がある |
以上の項目に当てはまるものが多い方は、月経困難症の疑いがあります。
病院でピルを処方してもらうことで、月経困難症のつらい症状を改善する効果が期待できます。
ピルに含まれているエストロゲンとプロゲステロンは、排卵の抑制や子宮内膜の増殖を抑える傾向があります。
その結果、生理の来る回数を減らしたり痛みを和らげてくれる可能性が期待できます。
毎月の生理の度に痛みを感じていると、それが当たり前になって我慢してしまう方もいるようです。
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ピルは避妊の効果を高める効果が見込める
ピルは正しく服用することで99％以上の避妊効果が期待できると言われています。
ここでは大きく分けて、避妊用ピルの3つの働きについて解説します。
<排卵に関わるホルモンの抑制>
ピルにはエストロゲンとプロゲステロンという女性ホルモンが配合されています。
この2つのホルモンが体内に入ると血中濃度が上昇し、「卵巣から女性ホルモンがしっかり出ている」と体が勘違いします。
そのため脳は排卵に必要な下垂体からの分泌物を抑制し、その結果、排卵自体が起こりにくくなる傾向があります。
<子宮への精子の侵入を抑制>
子宮の入り口には感染などを防ぐ役割をしている、頚管粘液というものがあります。
避妊用ピルを飲むとこの頚管粘液の量が減りドロドロとした粘着性に変化することから、精子が子宮の中に侵入するのが難しくなります。
POINT!
そのため卵子と精子の働きにも影響を与え、受精しにくい環境をつくります。
<受精卵の着床を抑制>
ピルを飲むと、受精卵が子宮内で生きるのが難しくなり、子宮内膜が薄くなって着床しにくい環境に変化します。
もし精子が子宮まで到達したとしても、着床ができなければ妊娠は成立しません。
肌荒れ改善効果が見込める
女性には「エストロゲン」と「プロゲステロン」という女性ホルモンが分泌されます。
この2つの女性ホルモンは月経周期により優位性が変動していきます。
エストロゲンとプロゲステロン、2つのホルモンバランスが崩れてしまうとニキビができやすくなってしまいます。
エストロゲンには肌の潤いを保つ作用がありますが、排卵期頃をピークに月経の経過とともに減少してしまいます。
そのため肌の潤いが失われてしまい、乾燥や肌荒れの原因となってしまいます。
プロゲステロンには皮脂の分泌を促す作用があり、ホルモンバランスが崩れてしまうと皮脂が過剰に分泌されてしまいニキビができてしまう原因となります。
POINT!ピルの効果の期間について
ピルの服用を検討中の方は、効果がいつからあらわれるのか気になることでしょう。
ここでは避妊に効果的な低用量ピルの効果が現れる期間について解説します。
ピルの避妊効果はいつから？
低用量ピルは生理が始まった初日から服用を始めるのが基本です。
生理が来たのを確認してから24時間以内にピルを飲んでください。
生理が始まった日から5日目までに飲み始めることで、始めたその日から避妊の効果が期待できます。
生理の初日から5日目の間に飲めなかった場合は、それ以外の日に7日間連続で飲むことで避妊効果が期待できます。
ただし、最初の7日間は避妊効果はありませんので別の方法で避妊を行わなくてはなりません。
ピルの生理痛や月経困難症の改善効果はいつから？
生理痛の緩和はピルの服用を始めた次の生理から実感できることが多いようです。
しかし、ピルの種類の違いや個人差があるためすぐには効果を実感できない場合もあります。
また、ピルの服用を途中でやめてしまうと効果を実感できないため、しっかりとピルの服用を継続する必要があります。
ピルの肌荒れ改善効果はいつから？
肌荒れの改善はピルの服用を始めてから3ヵ月ほどで効果を実感できることが多いです。
しかしこちらも生理痛と同様に、ピルの種類の違いや個人差があるため3ヵ月では効果を実感できない場合や、反対に1ヵ月ほどで効果を実感できる場合があります。
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ピルの服用時の注意点
ピルの休薬期
低用量ピルは継続して毎日飲み続けることで効果を得られますが、服用を止める休薬期間が必要です。
ピルを飲むのを止めると妊娠するのではないかと心配する方もいるかもしれません。
しかし、休薬期間中も避妊効果が続いており、妊娠の可能性はほぼありませんので心配無用です。
ピルを続けて飲んでいたことにより卵子が育っておらず、排卵が起こらない仕組みになっています。
休薬する理由は大きく2つあります。
- ピルを飲むことで抑制していた卵巣の活動を促し、正常に機能するようにする
- 休薬期間中の出血を認めることで、妊娠していないことを確認できる
低用量ピルを使用した避妊には休薬期間を設けた方が良い傾向があります。
休薬期間後は、そのまま飲み忘れてしまうことが多いので注意してください。
ピルを飲み忘れた場合
ピルを飲み忘れた場合はタイミングにより対処法が異なります。
飲み忘れに気付いたときに服用予定の時間から24時間経っていなければ、すぐに飲みましょう。
その後はまた予定通りの決まった時間に飲んで、そのまま継続すれば問題ありません。
服用予定の時間から24時間以上が経過してしまった場合は、どんどん避妊効果が低下していくことが予想されます。
時間が過ぎるに従って妊娠する可能性が高くなりますので、飲み忘れている期間に性行為を行った場合は注意が必要です。
特に休薬期間の終了後にピルを飲み忘れた時は妊娠の可能性が高まります。
この場合は次の新しいシートになるまで性行為を控えるか、他の避妊法を行うようにしてください。
ピルの副作用について
ピルには副作用があります。
主な症状として
- 頭痛
- 吐き気
- 不正出血
- 胸の張り
- 悪心
などが挙げられます。
また、ピルを服用することで血栓症や心筋梗塞、脳卒中を起こす確率が服用していない人に比べて少し高くなると言われています。
そのため、長期間服用を続けている場合は定期的な検査をおすすめします。
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ピルの効果を種類ごとに解説！
ピルにはいくつかの種類があり、それぞれ用途や特徴が異なります。
ここでは、低用量ピル・中用量ピル・ミニピル・アフターピルの4つの種類について解説します。
低用量ピル
低用量ピルにはエストロゲンと黄体ホルモンが配合されており、つらい生理痛やPMS（月経前症候群）の症状を和らげてくれる効果が期待できます。
また、生理の予定日を移動することも可能なので、大切な用事やイベントごとがあるときに低用量ピルを使用して生理を遅らせたり早めたりする方もいます。
副作用は中用量ピルよりも出にくいとされていますが、体質によっては吐き気やむくみ、便秘などの症状が出る可能性もあります。
低用量ピルは飲み忘れた場合には効果が減ってしまう可能性があるので、毎日飲み続けるのを忘れないようにすることが大切です。
中用量ピル
中用量ピルには低用量ピルと同じエストロゲンとプロゲステロンと呼ばれる黄体ホルモンが配合されています。
低用量ピルと同じように、月経困難症の改善や生理日の移動を目的に処方されますが、中用量ピルの方がエストロゲンの配合量が多いため副作用があらわれやすい傾向があります。
低用量ピルよりもホルモンの配合量が多い中用量ピルは、緊急避妊用のアフターピルとしても使用されます。
24時間以内に服用すると特に高い避妊効果が期待できます。
中用量ピルは副作用が強く出ることから、緊急避妊など特別な理由がない限りは低用量ピルを使用した方がよいでしょう。
ミニピル
ミニピルは海外で多く使用されていますが、日本では未認可のため保険適用外となっています。
低用量ピルや中用量ピルに含まれているエストロゲンは配合されておらず、プロゲステロンという黄体ホルモンのみが配合されています。
1日1錠を継続して飲み続ける必要があるのは低用量ピルと同じですが、ミニピルの場合は休薬期間をとらずに毎日服用しなくてはなりません。
エストロゲンの副作用が強く出てしまう方や、体質的な理由で低用量ピルが服用できないという方に向いている種類のピルです。
デメリットとしては、毎日必ず同じ時間に服用しなくてはならないことです。
アフターピル
アフターピルは緊急避妊薬とも呼ばれ、避妊に失敗した場合に効果を避妊効果を期待できるピルです。
主に次のような性行為を行ったときに使用します。
- 避妊をせずに性行為を行った膣内射精・膣外射精
- コンドームを使った避妊の失敗
- 低用量ピルの飲み忘れ
以上の理由により正しく避妊ができなかった場合に、アフターピルが用いられることが多くあります。
アフターピルの服用は、性交渉が終わってから24時間以内が望ましいとされています。
ただし、アフターピルは低用量ピルに比べると避妊効果が低い傾向があります。
妊娠を望まない場合は、日頃からしっかりと低用量ピルを正しく服用するようにしましょう。
ピルは他の方法よりも避妊しやすい？
現在は様々な避妊方法があり、ピルを使用しないで避妊を行っている方も多いようです。
ここではピルを使用した避妊方法の他、他の避妊方法の違いや妊娠率について解説します。
コンドーム
ポピュラーな避妊方法で、男性器に被せて精子が子宮内に入るのを防ぐ役割をします。
避妊だけでなく感染病防止の効果も期待できるのがメリットです。
しかし、実際には装着方法の間違いや使用するタイミングの失敗などにより、妊娠率は13％ほどにまで上がってしまうことが予想されます。
また、コンドームは男性側主体の避妊具のため、女性自身がコントロールしにくいといったデメリットもあります。
IUD（避妊リング）
IUDは避妊リングとも呼ばれ、子宮内に避妊具を取り付けて受精卵が着床できないようにする避妊方法です。
正しく使用すれば、避妊リングの妊娠率は0.6％ほどとされています。
ただし、取り付けたり取り外したりできるのは医師だけなので、手軽には行えない方法です。
器具がズレていないか定期的な検診も必要になるため、色々と手間がかかってしまうのがデメリットです。
不妊手術
不妊手術は卵管を糸で結び、半永久的に妊娠ができないようにする方法です。
避妊効果も高い傾向があり、一度手術を行えば半永久的に避妊効果が期待できます。
その一方で不妊手術は外科的な手術を行う必要があるため、安全性も含めて慎重に決めなくてはなりません。
以上のことからも、ピルが他の避妊方法よりも非常に優れていることがわかります。
ピルは正しく飲み続ければ、妊娠率は0.3％と言われています。
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ピルに関するよくある質問
ここではピルに関するよくある質問をまとめました。
ピルを正しく理解するためにも、ぜひ参考にしてください。
ピルを飲むのをやめたら生理痛はひどくなりますか？
あまりに副作用が強い場合は、ピルを飲むのをやめることを検討しても良いかもしれません。
確かにピルをやめると以前と同じ体に戻り、再び生理痛がひどい状態になる可能性が考えられます。
様々な理由がありピルをやめようと考えている方は、まずはかかりつけの医師に相談してみることをおすすめします。
ピルに保険適用はありますか？
月経困難症や子宮内膜症の治療のほか、避妊の効果を期待して使用する低用量ピルは、治療を目的とした場合のみ、保険が適用されます。
また、治療目的の場合でも保険適用で処方してもらうには医師の診断と検査が必要です。
生理痛がひどい、生理中に頭痛や吐き気がするなどの症状がみられる場合は、病院で内診や血液検査を行い保険適用でピルを処方してくれます。
避妊を目的として処方されるピルはOC（経口避妊薬）と呼ばれ、全額自費となるので注意してください。
ピルはほかの薬と併用しても大丈夫ですか？
ピルと他の薬を併用して問題が生じないためにも、正しい知識を得ることが必要です。
基本的には市販の薬はピルと併用しても問題ありません。
市販のかぜ薬や鎮痛剤を使用したいときには、あまり心配する必要はありません。
また直接の害はないものの、ピルの効果を弱めたり、副作用を強くしたりする可能性がある薬もあります。
ピルを服用期間中に病院で他の薬を処方してもらうときには、ピルを飲んでいる旨をしっかりと医師に伝えることが大切です。
ピルの効果のまとめ
ここまでピルの効果についての解説や、ピルの種類ごとの特徴についてお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- ピルは月経困難症、生理日の移動、避妊効果、肌荒れ改善などが期待でき、効果は症状によって異なる
- ピルには4つの種類があるので、用途によって使い分ける
- ピルには、頭痛や吐き気、血栓症などの副作用がある
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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